過去の演奏会  《第6回定期演奏会》



主な曲目

◆カレリア組曲 より “行進曲風に” (作曲:J.シベリウス/編曲:N.リチャードソン)
「カレリア」は、フィンランドの作曲家、シベリウス(1865〜1957)が劇音楽として作曲した作品で、その中の3曲を抜粋して組曲としたものが「カレリア組曲」です。
曲名の「カレリア」は、フィンランド南東部からロシア北西部にかけて広がる森林と湖沼の多い地方のことで、フィンランド人の精神的な故郷ともいえる場所です。
1892年に新婚旅行でカレリア地方を訪れたシベリウスは、この地の民謡や伝説から作曲のインスピレーションを得ました。 そして、翌1893年にヘルシンキで野外上演されるカレリア地方の歴史劇のため、劇中音楽の作曲を依頼され作曲したものが劇音楽の「カレリア」です。
「カレリア組曲」は、この劇音楽の中の『間奏曲』『バラード』『行進曲風に』の3曲で構成されています。 今回演奏する『行進曲風に』は、劇中の第5景の16世紀の場面で演奏される曲で、上昇気流に乗っていくようなさっそうとした曲風で、輝かしいファンファーレは希望に満ちた春の訪れを告げるようです。

梁塵秘抄りょうじんひしょう 〜熊野古道の幻想〜 (作曲:福島弘和)
この曲は、日本の作曲家、福島弘和(1971〜)の吹奏楽作品で、2006年に和歌山県立田辺中学校・高等学校吹奏楽部の委嘱により作曲、初演されました。
田辺市は和歌山県の中南部に位置し、市の北部にはユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道さんけいみち」の一つの「熊野古道」を有しています。
作曲の題材を探すため田辺市内をめぐっていた作曲者は、「熊野」という言葉に特に印象を受け、「熊野」を調べているうちに「梁塵秘抄」にたどり着きました。
「梁塵秘抄」は平安時代の末期、後白河法皇が少年時代から好んでいた「今様いまよう」と言われる歌謡詩を編さんした詩集で、 仏神、遊女、庶民の様々な歌などがあり、日常生活の心情を歌ったものから、お洒落で洗練された歌まで、様々なものが伺えました。
「熊野」は、古来より死者の魂の行く「黄泉よみの国」として崇められ、人々は死者の極楽往生や魂の「よみがえり」を祈りながら険しい道を歩いたそうです。
後白河法皇も「熊野」への信仰厚く、生涯に34回も熊野詣をしています。そして、この「梁塵秘抄」の中にも「熊野」の歌がいくつも歌われています。
この曲の冒頭や主題部では、霧に包まれた山深い情景や、そこを行き交う人々の心情が表現され、その後のテンポの速い部分は、少年時代の後白河法皇が遊女や芸人と「今様」に興じるさまが表現されています。 中間部のゆっくりした部分では、同じパターンのコード進行が循環し、その上を旋律が展開していき、輪廻転生の思想を表しています。また、副題の「〜熊野古道の幻想〜」は曲全体の世界観を表しています。

◆歌劇「イーゴリ公」より “ダッタン人の踊り” (作曲:A.P.ボロディン/編曲:淀 彰)
歌劇「イーゴリ公」は、ロシアの作曲家、ボロディン(1833〜1887)の作品で、キエフ大公国の同盟国領主イーゴリ公のポロヴェツ人討伐の物語を描いた4幕からなるオペラです。
タイトルの「ダッタン人」とは「タタール人」のことで、北アジアのモンゴル高原から東ヨーロッパのリトアニアにかけて活動した多種多様な民族を指していますが、 この「イーゴリ公」では、11世紀から13世紀にウクライナからカザフスタンに広がる高原地帯に存在したトルコ系の遊牧民族の「ポロヴェツ人」を指しています。 そのため、現在では「ダッタン人の踊り」ではなく「ポロヴェツ人の踊り」と表記されることもあります。
「ダッタン人の踊り」は、このオペラの第2幕で演奏される音楽です。 負傷してポロヴェツ人の捕虜となってしまったイーゴリ公ですが、敵将コンチャークはイーゴリ公の誇りと勇気に感銘を受け、貴賓として丁重にあつかいます。 コンチャークはイーゴリ公のために宴席を設け、そこで華やかな歌と踊りが繰り広げられます。
この場面では、ポロヴェツの若者と娘たちが歌い踊り、そして前半と後半で繰り返されるエキゾチックな歌には、ポロヴェツ人によって奴隷として連れて来られた人々の望郷の思いが込められています。
優れた旋律と個性の強い舞曲が次々と現われるこの曲は、多彩な8つの部分からなっています。
  1.「序奏」がホルンの音色で導かれたあと、
  2.「娘たちの踊り」の美しい旋律がオーボエやイングリッシュホルンによって奏でられます。
  3.「男たちの踊り」ではクラリネット群が速い動きを見せ、
  4.「全員の踊り」は荒々しく勇壮な舞曲となっています。
  5.「少年達の踊りと男達の踊り」でさらに野生的で激しいリズムが加わり、
  6.「娘達の踊りと少年達の踊り」では「娘たちの踊り」の旋律が再現されます。
  7.「少年達の踊りと男達の踊り」が再び現れ、
  8.「全員の踊り」では、これまでに登場した歌や舞曲がクロスオーヴァーしながら再現され、エネルギッシュな民族色を強めた曲想となり、華々しい最後のコードへと突き進んでいきます。
「ダッタン人の踊り」はボロディンの最も有名な曲というだけではなく、クラシック音楽の中でも有数の人気曲として人々に愛されています。

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